舞台「魔術士オーフェンはぐれ旅」

「魔術士オーフェンはぐれ旅」於:新宿村LIVE!、2019/8/17マチネ

今年25周年を迎えるライトノベル、秋田禎信「魔術士オーフェン」シリーズ、原作1巻「魔術士オーフェンはぐれ旅 我が呼び声に応えよ獣 」の舞台化。
自分は旧富士見ファンタジア文庫のライトノベルはそれなりに読んでいるつもりだったが実はオーフェンはつまみ読み状態で(多分早めに人気が出た作品だから)、観劇前にやっと1巻をちゃんと読み、あとはオーフェンペディアで補完という有様。
で、その1巻で印象的だったシーンやセリフを本当に丹念にそのまま舞台のものとして息を吹き込んでいて。
プロジェクションマッピングと音響により魔術や魔獣を舞台上に現出させるのはもちろん、原作への理解と愛情がないとこうは出来ないだろうという細かい部分で「この人物ならこう」を再現しており、さらには原作中であまりにあっさり死んだのちに過去編で人気が出た人物を「ちゃんと殺してあげる」というファンへのプレゼントまで。
主演・オーフェン役の松本慎也さんは長大な原作を読破してすっかり没入したらしく、ステージ上にいるのはもうほぼほぼオーフェン本人。そのオーフェンの数年前の姿キリランシェロを別の役者が演じていて、回想シーンではその二人が同時に板の上にいたりするのだが「ああ、出奔から数年たって荒むとこういう顔か」と納得できる絶妙なバランス。とにかくキャスティングや役作りでもう「勝っている」。
クライマックスの対決は文章やアニメならともかく生身の舞台でどうするのだろう、というシーンなのだけど、これも納得の演出だった。

11月にはすでに続編が予定されていて、素直に2巻をやるのかそれとも飛ばすのか、今から楽しみ。

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