於:シアターモリエール、2018/11/3マチネ
例によってひとまず自分のツイートまとめを元に。
昨年、中野のザ・ポケットで上演された「花嫁は雨の旋律」の再演。
時計技術者の夫・片山均とピアニストの妻・雨だが、雨が事故で記憶を失い幼児退行してしまう。均はそれまでの記憶を失い大人の体のまま心は幼児になった妻となんとか生活しようとするが…。
退行する前の雨(大雨)と退行後の雨(小雨)を二人一役で演じる。片山均役と片山雨(小雨)役は初演から変わらず中谷智昭と北澤早紀。大雨は初演の内田眞由美に変わって栗生みな。
#花雨2018 わず。
なまじ初演の記憶が残っているだけに、まだ泣くようなシーンじゃないところから涙腺が緩くなって困った。
海辺の水掛け合いからシームレスにダンスになるシーンの洗練がたまらん。 pic.twitter.com/vr2sCpm99z— ataru@ぶちかました13期 (@ataru_mix) 2018年11月3日
舞台はスジが分かって見る二回目の方が感情移入できるが、この作品は特にそう。この後に起こることが分かって気持ちが先回りして動いてしまう。
この作品ダンスの取り入れ方がうまくて、ミュージカルによくある突然ばっさり切り替わって踊りだすようなのではなく、自然な仕草からスムーズにダンスに繋がる箇所がいくつかある。
カーテンを開ける時の仕草に合わせたかすかなカーテンレールの音で朝だと感じさせたり、そういう音の小技がモリエールという小さめの箱にハマっててよかったな。コクーンやクリエじゃ逆にああいう風にはいかないと思う。
#花雨2018— ataru@ぶちかました13期 (@ataru_mix) 2018年11月3日
タイムレスカフェがなんか初演よりパワーアップしてる…あれはズルい、あのカフェを使った別の作品が作れそう。
#花雨2018— ataru@ぶちかました13期 (@ataru_mix) 2018年11月3日
どうしてもシリアスになりがちな作品の中でコメディリリーフ的な役割を果たすのが喫茶店「タイムレスカフェ」の面々。初演からこのカフェのシーンは楽しかったが、特にマスターの芝居の濃さが大変なことに。このカフェだけを共通で使ったスピンオフ作品が色々考えられそう。
シアターモリエールは中野よりステージの間口が狭いのかな?その狭さがかえってマンション・職場・カフェ・病院の切り替えの見事さになっている。とくに三つ並行のシーン!
— ataru@ぶちかました13期 (@ataru_mix) 2018年11月3日
マンションの一室のはずの空間がちょっとの変更と芝居でカフェになったり均の職場になったり病院の待合室になったり屋外にするステージ演出が絶妙。抽象的な箱やパイプならまだしも、明らかにマンションのLDKにしか見えなかった場所が一瞬で違う場所に見える。このあたり、初演の時よりずいぶん洗練されていた印象。
大雨の栗生さんと小雨の早紀ちゃんのピアノの技量の差は結果としてこの話に丁度よかったのかな。
「やった覚えがないのになぜか弾ける」だと自分の意思による演奏のコントロールとかできないわけで。
#花雨2018— ataru@ぶちかました13期 (@ataru_mix) 2018年11月3日
雨がピアニストという設定のため作中で何度かピアノ演奏のシーンがあるのだが、初演ではすべてアテブリ。しかし今回は大雨役の栗生さんが弾けるのでステージ上に本物のピアノを持ち込んでの生演奏に。使われる楽曲は高木正勝の”Perpetuum Mobile”と”Girls”。舞台上で毎回弾くには結構大変な曲のはず。
#花雨2018 、パンフレットには初演の時の写真もあるので初演を観てる人は必買。
台本は前回買ってるからパスしたけどカフェの変更とかどこまで台本上のことなんだろう、あそこは前回二度観た間でも結構いじってたからなあ。— ataru@ぶちかました13期 (@ataru_mix) 2018年11月3日
初演時には物販に台本はあってもパンフレットがなかったので、今回初めてパンフレットが登場。初演とは脇役の役名なども細々変わっていたので、余裕があれば台本も買って初演のものと読み比べたかった。
なお、初演時は作品名のせいか上演期間中連日の雨だったが、今回は千秋楽に雨。たぶん再演するたびに降られるのだろう。