「二子玉川ノ恋」於:iTSCOMスタジオ&ホール二子玉川ライズ、2019/8/24マチネ
銀行員の夫と結婚し、語学教室に通う専業主婦の陽奈多はある日その教室の新入生となった「山田」と恋に落ちるが、それは夫の智雄が陽奈多と良い条件で別れるために頼んだ「別れさせ屋」の仕事だった。夫の思惑通り財産分与もなく離婚することになる陽奈多。
一方、「山田」こと綾瀬は同棲中のキャバ嬢・結菜に別れさせ屋をやめさせられ、彼女が立ち上げた芸能事務所の看板役者となって急激に売れていく。
三年後、過密スケジュールから逃げ出すように突発的に海外を訪れた綾瀬は、そこでツアーコンダクターとなっていた陽奈多と再会し…。
二人一役というか、綾瀬の登場シーンの多くでは他の人に見えない綾瀬のインナーチャイルド役もステージ上にいる演出がまず面白い。
中1の頃から見てきた岩田華怜が不倫主婦役をやって違和感ないようになったという時の経過にはしみじみ。
特筆すべきはキャバ嬢→女社長となる結菜を演じた田名部生来。台本を見ると陽奈多と同じ25歳の設定なのだが、演者の実年齢差以上に修羅場をくぐってきた女の凄みを表現していた。
智雄のドSな女上司を演じた宮地真緒も性癖的にストライク。
今作、演劇用ではない多目的ホールでの上演のため客席側のフロアに傾斜がなく、その分ステージをずいぶん高い位置に設置していた。普段劇場の傾斜のおかげでどれだけ見やすくなっているかを実感。ただ、椅子の前後間隔をずいぶんゆったりと取っていたのは、狭いコフレリオの翌日だけにありがたかった。