観劇記録2020/04~08

パンデミックでチケットを取っていた舞台が軒並みバラシになり呆然の時期。

2020/5/23配信回 劇団ノーミーツ「門外不出モラトリアム
コロナ禍に立ち上がったオンライン演劇の第一人者となる劇団ノーミーツの初長編作品。
演者が集まれないという状況を利用して、外出不可の状況のなかZOOMで集まる学生五人の群像劇に。
試行錯誤しながら新しいものを生み出していくその現場に立ち会える興奮。脚本は直接会って確かめられない状況を利用した巧妙なものだし、作中の時間が変わるごとに部屋のカレンダーを掛けかえたり着るものが変わっていたりと作り込みも細かい。
(これを実現する各演者の仕事量が半端ない)
この後オンライン作品に次々出演することになる田島芽瑠が好演。

2020/6/1配信 本多劇場DISTANCE
コロナ禍での演劇界の窮状についに本多劇場まで配信演劇を開始。ZOOMで繋ぐのとは異なり、無観客の本多劇場にカメラを入れての生配信。
永島敬三「ときめきラビリンス」、井上小百合「齷齪とaccept」、入江雅人「500」の三人それぞれの短編一人芝居を三本。どれもとてつもないものだった。
各短編の間を繋ぐ清掃員役の二人、御笠ノ忠次・川尻恵太のセリフが演劇そのものに対して批評的。

2020/8/5配信 「大人になる、には
劇団4ドル50セントと時間制作・谷碧仁が組んだオンライン作品。妥協せず心をえぐってくるずっしりとした会話劇を得意とする谷碧仁の作・演出はオンラインだろうがやはり変わらず。
競技かるた部の部室、登場人物は部員たちと顧問いう設定で一時間の小品だったが、見終わったころにはだいぶ持っていかれる。

2020/8/7配信「トランス」
鴻上尚史の戯曲をZOOMでオンライン朗読劇として再構築しPUBLIC∴GARDEN!が上演。元々が三人芝居の会話劇だったので、朗読劇に落とし込みやすいいい演目を選んだと思う。

2020/8/22 マチネ 「知恵と勇気と極悪キノコ」(芸術劇場シアターウェスト )
久しぶりに生で。
劇団LIVESの人気作品のキャストを変えての再演。
ある変身ヒーローもの作品の映画版の現場、「戦闘員A」役で参加する若い役者にとっては、芸能生活最後の仕事にして、初めて映画に映る機会であった。
事情を知った他の戦闘員役の役者たちはなんとか彼の見せ場を作ろうと協力するが、脚本家の言った「悲哀」を「卑猥」と聞き違えたりと、どんどん駄目な方向に頑張っては監督を激怒させることに。その脚本家は脚本家で夫婦関係に問題を抱えており。
多くのシーンは大部屋の楽屋で展開するのだが、劇中のその入り口に消毒用アルコールとマスクが置かれているあたり確実に2020年の芝居。
まあ、戦闘員役に勝手にあんな芝居されたら自分が監督でも外そうとすると思う。
人気女優役に須藤茉麻、映画初出演の人気声優役に藤田奈那(アイドル時代よりよほどアイドルっぽく振る舞っていた)、メイキングの監督役に藤江れいな、往年の人気アイドルの中年俳優役に野村宏伸。

舞台「花火の陰」

2020/2/9マチネ 「花火の陰」 (三越劇場)
ある映画の撮影チームの大半が事故死した片田舎に二十年ぶりに訪れた役者二人と若いマネージャー、当時彼らを迎え入れた塾の先生。現在と二十年前の切り返しで話は進み…。
見る側は「この人もこの人も死んでしまう」と分かった状態での恋模様の切なさ。「楽屋」もそうだったが、演ずる人の業や覚悟も描かれる。映画監督サクマ役の岡田達也さんは以前キャラメルボックスの作品をちょいちょい見に行ってた頃以来、久しぶりに拝見。
この作品、舞台美術と照明がもう抜群に素晴らしかった。そうそう、パンフもとても良い出来で、こう言うところにちゃんと手間がかかっている作品は嬉しい。

舞台「終わらない世界」

2019/12/13ソワレ 「終わらない世界」 (博品館劇場)
2017/11に紀伊國屋ホールで上演された作品の再演。これも先日の「team」と同じく舞台初日開演までの話。
今回は主役のミワコを演じるのが大和悠河さんから緒月遠麻さんに変わったのだが、それによるテイストの違いを強く感じた。
この作品、禁酒法時代のアメリカをベースにした劇中劇部分とその稽古中の劇中での現実部分があるのだが、現実部分の芝居は緒月さんバージョンの方がよりリアル、劇中劇部分のケレン味は大和さんの方が派手だった印象。
ただこの印象の違いにはセットがやや地味になり(リアルな稽古場に近づいた)、その分見た目のショー感が薄れたせいもあるのかもしれない。数少ない初演と共通キャストの藤田奈那は裏表のある計算する女の子をしっかりと見せ、 二年分の成長を感じさせた。
芝居から受けた印象からすると、ミワコのライバル・サヨコ役の十碧れいやさんと役を交換したバージョンも成立すると思われ、これも見てみたいところ。
あと、この日のアフタートークで語られたのだけど、マチネ・ソワレ間にあるキャストの衣装の帽子が行方不明になり、最終的にトモル役の上遠野太洸さんが場所を言い当ててギリギリ間に合ったというエピソードが。見つからなかったらどうなってたんだろう。

観劇記録2019/9

ネタバレ対策で千秋楽を待っていたりしたら個別に書ききれなくなったのでメモで。

2019/9/1ソワレ オザワミツグ演劇 「世界でひとり落ちてだけじゃないのかもよ」於:Geki地下Liberty
大地震の後、ラブホテルの廃墟に逃げ延びた人たち(と、何人かの幽霊)。全体に重いのだけど、東日本大震災を生き延びて引っ越した先でいじめられる過去話のパートが特にしんどい。

2019/9/15 朝劇銀座「おはよう事故物件」
ユニコーンとマリリン、ドアをへだてて繋がる二つの高級クラブの店舗を朝だけ借りて上演するホラー作品。まずはユニコーン側で。こちらだけだとどうにも話が消化不良。

2019/9/15マチネ 「レッドスネーク、カモン!!【青春版】」 於:築地本願寺ブディストホール
昭和の伝説の芸人、東京コミックショウのショパン猪狩とその妻・千恵子の結婚から晩年までを二時間で。肝心のあの芸はかなり再現度が高かったと思う。
三匹のスネークを擬人化して出したりと工夫してて楽しい。それにしてもあそこまで我慢する奥さんは今はそうそういないだろうねえ。
あと、劇中の立川談志の言い回しがかなり本人っぽかった。

2019/9/15ソワレ ILLUMINUS 「星の少年と月の姫」 於: 中目黒ウッディシアター
女子高の演劇部と、そこで演じられる舞台のメタ構造。演じられる作品がいかにも高校演劇部で書きそうな色んな作品への参照ありで、特に「銀河鉄道の夜」のお気に入りのシーンがほぼほぼ使われていたりしてニヤニヤ。
それにしても千歳ゆうさんの少年装がドストライクで眼福。

2019/9/16 マチネ 「笹塚マッドプール」 於:Geki地下Liberty
シェアハウスに同居する男たちと、訪れる人たちと。最初は一方的に色んな人の用事を押し付けられているように見えた主人公・清志がむしろ周りを自分に依存するようにコントロールしている関係が見えてきてからの後半の狂気。清志のガールフレンド・雛子の暴走っぷりも中々。
一部、学生寮住まいで自分も似た経験をしたなと思うシーンが。

2019/9/21 朝劇銀座「おはよう事故物件」
今回はマリリン側で観劇。やっと話がつながってスッキリ。
これだけ近い距離で推しの芝居を見られることは今後もそうそうないと思うし、普通に働いてたら一生この店内には入れないだろうな。一瞬だけのシーンのキャストが、それにはもったいない美人さんでした。

2019/9/21マチネ 「お茶っぴき」於:上野ストアハウス
千秋楽前なので後日追記。
それにしてもいい音させてたな、ビンタ。
以下2019/12/14追記。
舞台となるのは風俗店の控室。
楓とさくらのベテラン嬢たち、若い売れっ子・杏、若いがあまり客がつかない桃子。
そして店長とボーイ、行為中に倒れて運び込まれる常連客に、時折やってくる出前持ち。この全員がちゃんと息をしていて、それぞれのそれ以前やその後に思いを馳せてしまう。
岡元あつこさん、小松みゆきさんの女っぷりに「茂木ちゃん、これを学べよ」と余計なお世話な思いも。
正直、自分が選ぶなら(茂木忍推しだけど杏じゃなく)桃子かなー、彼女が不人気嬢とは思えない。

2019/9/23 「Get Back!!」於:俳優座劇場
始まったばかりなので後日追記。
中盤の宴会シーンの芸達者ぶりが楽しい。

舞台「人魚姫」

ノックノックス「人魚姫」於:すみだパークスタジオ倉、2019/6/22マチネ

人魚姫ではあるがアンデルセンのあれとはほぼ関係がない、世界で最後の人魚姫を巡る物語。
ノックノックスは初見の劇団だが、劇団のツイートに本物の植物をセットに持ち込む様子があって、どんなセットになるかと見る前から楽しみにしていた。
入ってみると、目と鼻の先、段差なしに枯れ枝で区切られた先はもう砂が敷き詰められ緑の豊かなステージで、下手側には生演奏のスペース(写真は終演後の撮影可タイムに撮影したもの)。

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